イタリア旅行記3日目

ローマ→フィレンツェ(6)

ルネサンスの中心地へ

フィレンツェの中心部には、この街のシンボル「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」、その大聖堂に寄り添うように建つ「ジョットの鐘楼」、そして11世紀に建立されこの街の歴史を見つめ続けてきた「サン・ジョヴァンニ洗礼堂」が建っている。

サン・マルコ修道院から出たわたしとみけは、大聖堂に向かい歩き始めた。

道ばたでは黒人がサングラスやブランドもののバッグ、美術館でも扱っている複製画を売っているのをよくみかけた。わたしは声をかけられたら怖いので、なるべく彼らを見ないようにして歩いた。しかしみけはきょろきょろと落ち着きがない。
「げんげ〜ん、なんか買ってくれ〜」みけのわがままが始まった。
「おみやげならいつでも買えるからあとでいいんだよ」
「あれが欲しいニャ〜」みけはシスティーナ礼拝堂天井画「アダムの創造」のポスターの前で立ち止まって猫なで声を出した。
「そんなものを今買ったら、かさばるだろ! 昨日バチカンで買った同じ絵柄のポストカードをやるから我慢しなさいっ!」わたしは早足で歩いた。
「ポスターがいいのにニャ〜。部屋の天井に貼りたいニャ〜」
「自分で描けばいいじゃないか。お前はミケランジェロの生まれ変わりなんだろ?」
「猫背のわが輩には酷な仕事にゃ。奴だって天井画を喜んで描いたわけじゃにゃいのは知ってるだろう?」みけはしぶしぶとわたしの後についてきた。

サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の巨大さは圧巻である。小路の隙間から見える空にそびえ立つその姿は、遠く離れているために霞んで見えるのだが、それほどの距離を置いても見上げるほどの高さを誇っているのだ。わたしたちは大聖堂の正面の広い通りに出た。そこは世界的な観光地だけのことはあり大勢の観光客でごったがえしていた。

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